ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインの7原則
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どんな人でも公平に使えること
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使う上で自由度が高いこと
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使い方が簡単で、すぐに分かること
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必要な情報がすぐに分かること
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うっかりミスが危険につながらないこと
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弱い力でも楽に使えること
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利用するための十分な大きさと空間があること
ユニバーサルデザインはその対象が障がいを持った方や高齢者へ限定されていない点がバリアフリーとは異なります。普及の方法も大きく違い、バリアフリーは法律等で規制する事で普及させる「行政指導型」ですが、ユニバーサルデザインは、良いものを褒めたたえ推奨する「民間主導型」と大きく異なっております。
ただ単にアイデアを盛り込んだ製品というわけでは無く、その取り付け位置や組み合わせ、空間の広さやスペースの取り方、動線などの計画を通して、すべて人の暮らしそのものが住まいと共に快適であることが重要です。
具体的な工夫の例
ここでユニバーサルデザインについて具体的な例を挙げてみましょう。
門・玄関アプローチ
スライド門扉で面倒な動きがなくスムーズな移動が可能です。レールのないタイプは、重量も軽く片手で開け閉めが可能、また段差がないので車いすやベビーカーも安心。
玄関扉までのアプローチがスロープなら、ベビーカーや車いすでも便利です。手すり付きならお年寄りにも安全です。またひさしがあれば雨や雪の際にも安心です。
玄関ドア
玄関扉がカギを差し込まなくても解除できる電子キーならベビーカーや、荷物が多いときでも楽チンです。
また、力をかけずにハンドルを軽く押したり(プッシュ)、引いたり(プル)するだけで開閉できるワンタッチ操作のプッシュプルハンドルや、大型の把手(引手)なども使いやすいでしょう。
トイレ
大人一人が入れる程度のコンパクトなスペースが通常ですが車いすはもちろん小さな子どものトイレの補助などのため広々としたスペースが有効。手すりをつけたり、わかりやすく、簡単な操作、シンプルなボタン配置や便器洗浄ボタンを独立させるなど、初めて使う方でもわかりやすい配置を。
階段
勾配を緩やかにすることで安全で上り下りしやすい階段となります。滑りにくく歩行性に優れた素材として踏板にコルク踏板を貼るなどの工夫も可能です。また、来の真っ直ぐな手すりは体重をかけると滑りやすいなどの点もありますが、くねくねとした波型のものには取っ手の様に使える垂直部分と杖の様に使える水平部分があり、体重をかけやすい作りになっています。少しのアイデアで今までだと思っていたものは遥かに便利になります。
浴室
バスルームに求める快適さは使う人の年齢によって少し違ってくるものかもしれません。例えば、小さな子供と一緒に入浴する場合や、高齢者がひとりで入浴する場合には、移動中につまずいたり滑ったりしにくいことも大切な要素になります。幅広い年齢の人が長く安心して使えるデザインであることが重要です。
・段差の解消
・滑りにくくクッション性のある床
・またぎやすい高さの浴槽
・握りやすいハンドルグリップ
・ワンプッシュ排水栓
住宅におけるユニバーサルデザインは子どもから大人まで家族みんなにとって住みやすい家、そして何十年という時間の変化についても考慮することが大切です。
これまでのバリアフリーの考え方から一歩進んで、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、だれもが安心して利用できるモノづくりを進めていこうという動きが広く浸透してきています。